軍に固有の側面もしくは軍の機能に固有の側面を表す軍の精神、その軍の精神をプロフェッショナルな軍の倫理として定義し、軍の理念の本質に到達しようとするハンチントンの非凡な着想が示された。その推論の概要を追っていこう。

以下に、次のような項目を取り上げ、プロフェッショナルな軍の倫理についてより詳しく掘り下げることを試みたい。

(1)基本的な価値観と考え方
(2)国家の軍事政策
(3)国家対軍の関係

 プロフェッショナルな軍の倫理に関するこれらの考察結果が正しいか否かは、ここで示される考え方が、軍の機能を遂行する際、必然的に必要とされるかどうかに懸っている。

 倫理の本質に関するこれらの推論においては、軍事的文献から引用される代表的な語句をその都度参照しながら説明を進めることにする。・・・しかしこれらの参照は、単なる例として示しているに過ぎないということである―言い換えればこれらの参照例は、その中に示された考え方が、プロフェッショナルな軍の倫理の一部を成しているということを立証している訳ではない、ということである。唯一の基準は、軍の機能を遂行する際、その考え方が必要とされているか否かというその関連性だけである


 プロフェッショナルな軍の倫理として成立するための厳しい基準が、上記の文末に改めて注記されている。以下、上に掲げられた三項目について、ハンチントンの推論を観て行こう。

 2-2-1.基本的な価値観と考え方-人間、社会、歴史
 2-2-2.国家の軍事政策
 2-2-3.国家対軍の関係